ペットと良好な関係を築くことが出来る、ポジティブトレーニング

ペットを人間と同じ家族と考える方が多くなっている昨今、ペットに対してしつけを行うということがいかに大切かを真剣に考える方が増えてきました。しつけには色々な方法がありますが、特に初心者の方にお勧めなしつけの方法は、褒めてしつけるポジティブトレーニングです。褒めることによって、愛犬は主人からの愛情を感じますし、主人を慕うようになり、非常に良い関係を築くことも出来るのです。それでは、これからそのポジティブトレーニングについて、詳しくお話をしていきたいと思います。

しつけに対する心構え

◆犬と人間がより良い生活を送るために必要なしつけ

しつけというのは、人間の言うことを何でも従うようにさせるというものではありません。お互いの立場を理解して、より良い関係性を築くために必要なことです。そして、犬と飼い主との生活をより良くするだけでなく、ご近所さんなどの周りの人たちに安心をしてもらうためにもとても重要なことなのです。

犬にとっても人間にとっても楽しいと感じることが出来る生活が出来るようにするために、しつけは行うべきことと言えるでしょう。

◆出来たということに着目をしてあげること

しつけをするうえで大切なこと、それは「1つずつ着実に進めていくこと」です。最終目標に向けて1つずつ着実に教えていくようにして、時間がかかっても犬の成長度合いに合わせてしつけを行うようにしなければいけません。少しの成長でも大きな成長だと考えるようにして、ゆっくりだけど進歩をしてくれていることを喜べるようにすることが大切なのです。

◆相手のことを思いやる気持ちが大切

犬にしつけをする場合、人間が一方的に教え込むようなことをしてしまっては、必ずと言っていいほど失敗に終わってしまいます。しつけをするにあたって、人間と犬が対等な立場であるという認識を持つことが成功への近道となります。人間の一方的なルールを教え込むのではなく、犬の特徴をきちんと理解をして、犬に合ったしつけ方を行うようにしなければならないのです。

犬がとる行動にイライラしてしまうかもしれませんが、その行動は犬にとっては意味のある場合もあります。例えば、無駄に吠えているように見えても、実は一緒に遊びたいというサインのこともありますし、家の中を散らかしてしまうのは、運動不足でストレスが溜まっているというサインのこともあります。

人間が直して欲しい犬の行動が、実は人間に対するSOSのサインだったということもあるのです。

◆共通の認識が出来れば、犬と人間とのコミュニケーションは可能

人間と犬は会話をすることが出来ません。しかし、犬は人間の言葉を音として認識をして、それを行動に置き換えることが出来ます。人間の言葉と犬が取る行動が一致すれば、人間と犬とが理解し合えたと言えるのではないでしょうか。そういった方法であれば、人間と犬はコミュニケーションを取ることが出来るのです。

◆犬の気持ちを理解してあげる

犬は家にいる時間が1日の大半ですので、外に出て歩くことやさまざまなニオイを嗅ぐことは、とてもワクワクすることであり、犬が健康に過ごすうえで必要なことと言えます。

人間の要求に応えてもらうには、犬が本能のままに生活が出来るようにさせてあげることが非常に重要と言えるでしょう。なかなか直らない行動の場合、その犬にとってその行動は実はとても大切な行動だったということもあるのです。

犬がとる行動には意味があると考えて、なぜその行動をとるのかを犬の気持ちになって考えてあげることが、しつけの成功にも繋がると言われています。

●犬に必要な6つのこと

犬のしつけを成功させたいなら、犬の習性や生活スタイルを理解する必要があります。犬のことがより理解出来るように、犬が日常的に行っていることを再確認していきたいと思います。

1、頭と身体を存分に使えているか

◆頭を使って身体を動かす時間が楽しい  
本来、犬と人間は狩猟を共に行うパートナーという関係でした。そういったことから、犬は頭を使って身体を動かすことに非常に喜びを感じるのです。ですので、家でボーッとしていることはとても退屈で、それによってストレスが蓄積していくと言われています。

退屈さやストレスが原因となり、宅配の人や来客に無駄吠えをしてしまうのです。無駄吠えが気になるという場合は、 犬にしっかりと頭と身体を使わせてあげられているか、見直してあげるようにして下さい。  

それでは、犬がストレスや退屈さを感じることのない、頭と身体を十分に使えている生活を時系列で見ていきます。

<一日の生活スタイル>
7:00 起床
7:00~7:30 ひっぱりっこ遊び
7:30~8:00 お散歩
8:30 食事
9:00~12:00 お留守番 コングで遊ぶ
12:00~12:30 飼い主帰宅 宝探しゲーム
12:30~17:30 お留守番 知育玩具で遊ぶ
17:30 飼い主帰宅
18:00~18:30 ボール遊び
19:00~ 19:30 お散歩
20:00 食事
21:00 就寝

1日の中で何度も遊びが取り入れられていますし、遊びの種類も豊富で犬は楽しく頭と身体を動かすことが出来る生活になっています。また、1日2回朝晩に散歩の時間もあることから、運動不足もしっかりと解消をすることが出来ています。

これなら、犬本来の姿でいることが出来ますし、ストレスも非常に少ないことから、無駄吠えや部屋を散らかすといった悪い行動も取らなくなるでしょう。

<自宅で出来る頭と身体を使った遊び>  
1日の生活スタイルで取り入れていた遊びやゲームは、犬の頭と身体を使うことが出来る大切なものです。どんな犬種でも行うことが出来るものですので、是非とも日常生活に取り入れて頂きたいと思います。具体的にどういった内容なのかをそれぞれご説明をさせて頂きます。

・宝探しゲーム
おやつなどのニオイがする物を隠して、犬に探させるゲームです。犬は嗅覚が非常に優れており、人間の1000倍もの嗅覚があると言われています。犬の自慢である嗅覚を使って、欲求を満たしてあげるようにして下さい。

・ひっぱりっこ
人間が持っているおもちゃを口でくわえてひっぱり合いっこをする遊びです。エネルギー消費に繋がりますし、また人間との距離が縮まることから良好な関係性を築くことが出来るという効果もあります。犬と人間との力関係への影響もあるので、遊び方には少し注意が必要です。

・ボール遊び
ボールを投げてそれを犬が取ってくる、という単純な遊びです。狩猟を行う本能を持っている犬にとって、モノを追いかけるというのはとても楽しいことなのです。長距離をダッシュで走ることも出来る遊びですので、運動不足解消にも繋がります。

・知育玩具を使った遊び
しつけに対する意識が高まる中、犬の教育を目的としたおもちゃも多く販売されるようになっています。食べ物を隠すことが出来るおもちゃの場合、隠されている食べ物を嗅覚でとらえ、頭を使って取り出すといったことを行うので、犬にとって非常に有意義な時間を過ごすことが出来ます。知育玩具は、留守番時の退屈しのぎに活用をすることが出来るので、お留守が多いご家庭には是非とも取り入れて欲しいです。

2、運動量

犬にとって運動はとても大切なことです。ただ、犬種や年齢によって必要な運動量は違いますので、その犬に合った運動量の運動をさせてあげるようにして下さい。

犬が行う運動のメインは散歩です。小型犬は散歩が不要と思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、小型犬でも運動はしなければいけませんので、1日1回は散歩をしてあげて下さい。

散歩は運動目的だけでなく、ニオイを嗅いで嗅覚を存分に使わせてあげたり、他の犬たちとのコミュニケーションの場になったりと、運動以外の意味も実はあるのです。

運動をすることによって、食欲が出たり、質の良い睡眠を取ることが出来たりと、犬の健康への影響も大きいので、必要量の運動は行ってあげるようにしましょう。

3、くつろげる空間づくり

犬は1日の大半を家で過ごしますので、家で快適にいられる空間づくりをしてあげなければいけません。犬というのは身体がすっぽりとおさまるわりと窮屈な場所が好きだったりします。

また、1日を通して寝たり起きたりをしますので、同じ空間にしかいられないという環境は良くなかったりします。犬にとって家の環境はとても大切ですので、ストレスを感じることがない快適な空間づくりを心がけてあげなければいけません。

4、食事

食事は健康に欠かせないのは言うまでもありません。また、犬は生活範囲が限られていることもあり、食事に対する楽しみは人間以上にあると言えます。食事は、健康面でも精神面でもとても重要になってくるのです。犬が喜んで食事をすることが出来るよう、食事量や食べるモノの大きさなど、工夫をしてあげるようにしましょう。

食事の回数も健康にとって非常に大切で、成長段階の子犬は1日3~5回の食事が必要になり、成犬は1日1~2回の食事がベストだと言われています。犬にとって食事はとても幸せな時間ですので、大切な時間にしてあげることで人間との関係性をより良くすることにも繋がります。

5、コミュニケーションの時間

 犬という生き物は、非常に社会性を大切にします。集団で過ごすことで安心したり、幸せを感じるのです。そのため、ひとりで過ごす時間が長ければ長いほど、ストレスが蓄積されてしまいます。

寂しい気持ちを抑える ために、悪さをすることもあると言われています。そういったことは、飼い主にとっても犬にとってもマイナスの影響を与えてしまいますので、出来る限りコミュニケーションを取る時間を作ってあげて欲しいのです。また、犬は嫉妬をしてしまうことがあり、それがストレスの蓄積へと繋がることもあるため、人間同士のコミュニケーションの場に混ぜてあげたり、多頭飼いの場合はそれぞれの犬でコミュニケーションの時間を作るようにしたりといった気遣いも必要になってきます。

飼い主との時間をしっかりと取れている犬は、精神的にも穏やかですし、人間との関係性も良好に保つことが出来ます。

6、社会を知る

 社会性を大切にする犬にとって、家族とのコミュニケーションはもちろん大切ですが、家族以外の人間や犬とのコミュニケーションも大切になります。どんな環境でも対応出来るようにしてあげることで、人間社会で生活することに対するストレスを軽減することが出来ると言われています。

適応力や対応力を養うためにも、小さなうちから家族以外の人間や犬と触れ合ったり、知らない場所へ出かけたりといったことは、是非ともして頂きたいです。